【第1部】第7話 青の一族

「えー?俺たちが助っ人ォオ???」
 みかどがいないよりマシ、という理由で選んだ戦力×2のうちの一人、きのえがめちゃくちゃイヤそうな顔でみかどに聞き返した。

「冗談じゃねーよ!何でこの俺様がおまえの味方なんかしなきゃいけねーんだ、このタコ!」

 タコ呼ばわりされたみかどはかなり頭に来たが、今はガマンして何とか戦力を集めなくてはならない。
 みかどは額に怒りの四つ角を浮かべながら、何とかにっこり微笑んで言う。
「いや~、どぉ~してもキミたちのきょ~~りょくな力が必要でネ~」
 苦し紛れのお世辞なんていってみたが、

「はっ、確かに俺は強いケド、だからっておまえに協力してやる義理はねーよ」
 鼻でわらわれてしまった。
 みかどの怒りはさらにひどくなる一方。

 確かに普通の人間に比べれば、きのえは強い。
 しかし更に強いみかどから見れば、その実力はたかだかしれているし、おまけにこいつ、ささらより弱かったりする。
 「いないよりマシ」レベルのきのえ。
 タカビーな性格のため、人が仕立てにでればつけあがるのは目に見えていたハズなのに・・・と、みかどは激しく後悔した。
 ってワケで堪忍の尾も切れる寸前!
 「もーいい!あんたとはやっとられんわー!!」と、いおうとしたまさにそのトキ!!

「きのえくん、よく考えてみてよ」
 いないよりマシ、という理由で選ばれた戦力×2のうちのもう1人、あおいがきのえをたしなめた。

「確かにみかどは僕らと敵対してる青の一族だケド、みかど自身はそういう気がないのはこの1年でわかってるコトだろ?でも今、みかどを連れ戻し、僕らを倒そうとする青の一族がやってきたのなら、悔しいかもしれないケド、僕らより強いみかどと組んだ方が僕たちにはいいハズだよ」

(それに、みかどさんが連れ帰されれば、バロック団はいつでもこの島を襲撃できるようになってしまう。そして私の友達もいなくなってしまう!!!)
 後者が本音のくれないも、心の中でそう語った。

(年下なのに苦労してんなあおい・・・)
 年上の親友をなだめる彼を見て、みかどはちょっと思った。

「そっか・・・、それもそーだな」
(単純ッツ!!!)
 きのえの一言に、その場にいる全員が心の中で突っ込んだ。
 ともあれ、みかどはいないよりマシの2人の確保にも、めでたく成功。

 一方ピュア家・・・。
「ピュアく~ん、あたし3時からふとしくんときよてるくんと遊ぶ約束しちゃってるんだ」
 家に帰ってきてからしばらくして、ささらがピュアくんにいった。
 そして時計は3時10分前を指している。
「悪いんだケド、留守番まかせちゃってもいい?」
「あぁ、構わないぞ。いってこい」
 申しわけなさそうに話すささらに、ピュアくんは快くOKサインを出した。
「ありがとー、5時頃には帰るから!」
 そうしてささらは出かけていった(ってか時計あんの?)

 一方東の森で・・・。
 あの後、ひかりも仲間にしようと東の森へやってきたみかどと番人3人。
「ったくよォ~~~~、どこにいるんだ、ひかりのヤツは~~!!」
「もう30分は探してるぞ~」
 いー加減いやになってきたきのえが叫び、あおいがぼやく。
「さっきとおるとたかしがうち来たんだよなー。そのときひかりの居場所、聞いときゃよかったぜ」
 みかどもふーっと大きなため息をつく。

 一方ひかりは・・・
「ZZZ・・・・」
 地底王国でお昼寝中だったりした。

 ・・・・まさかこのトキ、ひかりが地底王国でぐーすか昼寝をしているなどと、誰が想像できたであろーか!
 ましてや彼らはささらやピュアくんほど頻繁に地底王国へもいかないので、地底王国にいるなんて、思いもしなかった。
 忍耐強いくれないまでもが、あてもなくひかりを探し出すコトに嫌気がさしてきた。
 そしてこういう。

「もーいいんじゃないですか、ひかりさん弱いし」
 続いてあおいが
「あぁ、そーだね、あいつ番人の中で一番弱いし」
 さらにきのえが
「もうひかりぬきでやろう」
 みんな結構ひどかった。

「あ、そういえばささらちゃんは?」
 そしてキレイサッパリひかりのコトを忘れると、あおいはみかどに尋ねる。
「は?なんでおまえがささらのコト知ってるんだ?」
 ささらからあおいたちの話を一切聞いていなかったみかどは、ささらと彼らが仲良くしてるコトなどちっとも知らなかった。
 ささらにとっては、番人とみかどがあまりいい仲じゃないコトを気づかってのコトだったのだが。

「あ、僕らと知り合いだってコト、ナイショにしてなくちゃいけなかったんだっけ」
「もう遅い」
 あおいは少し気まずそうな顔をしたが、きのえの言う通り、もう言い訳のしようもありません。
「ささらさん、毎晩野宿の私たちに夕ご飯持ってきてくださってたんですよー」
「はぁ!?」
 みかどさんにとってはしょーげきの事実!

(おいおいおい!そりゃ確かにあいつが毎晩メシもってどっか行くのは知ってたが(本人隠してるツモリだったケド)、俺はてっきり動物たちにやってるモンだと・・・)
 みかどはチラリと横目できのえ、あおい、くれないを見る。
(お、俺は毎晩、こいつらのメシ作ってたんかい・・・)
 みかど思わずその場にしゃがみ込み、頭を下げて大きなため息をついた。
 しかし追い討ちをかけるように、あおいときのえがさりげなく話す。
「この分だと、ひかりにもあげてるよね」
「やー、でもあいつ2人前は喰うからなー」

「結局俺は何人前メシ作ってたんだよッツ!!!」

 ささら、ピュアくん(2人前)、みかど、ぽち、きのえ、あおい、くれない、ひかり(2人前)で10人前。あと彼らは知らないが、動物たち数匹分もあるので・・・・・・・
 ・・・新企画、こんなみかどさんに励ましのお便りを出そう!(ウソ)

 ささらが出かけてしまった後、ピュアくんとぽちは2人でなかよくボール遊び中。
「きぃ!」
「あー!ぽちのへたっぴー!」
 ぽちが打ち返したボールはピュアくんの頭上を越えて、家の前にある森の入り口の方へ転がっていってしまった。
 ピュアくんはボールをとりに、そこまでかけていく。
 するとボールは、突然森の中からやってきた人物に拾われ、ピュアくんに向かって投げられた。
 ピュアくんはボールを受け取ると、ボールを投げてくれた見知らぬ男性に動じるコトなく、たんたんとお礼をいった。

 長い前髪で隠された右目、腿のあたりまで伸びている長い豪華な金髪。
 さっきたかしくんが地面に描いた人物と、同じだった。

「話は戻りますが、みかどさん」
 くれないが真剣な顔でみかどに尋ねた。

「何故ささらさんを連れてこなかったんですか?彼女、かなりの力を持っているようでしたケド」
 番人の中で一番強い力を持つくれないには、実際ささらと戦ったコトはなくとも、彼女の強さの程はよくわかっていた。
 そしてきのえとあおいを指差してこんなコトを言う。
「少なくともこの2人よりは強いでしょう」

 ぐさッ!!!

 きのえとあおいのハートに、くれないの一言が深く突き刺さった。
 さらに追い討ちをかけるように、実際ささらともきのえ&あおいとも戦って、彼らの実力を肌で知っているみかどまでがこんなコトをいう。
「あぁ、確かにこの2人より強いぞ」

 ずしゅッ!!!

 思春期街道まっしぐらな青年たちのガラスのハートは、砕かれた・・・。
 きのえとあおいだって、空まで飛んじゃう風使いささらの潜在能力は見りゃわかったし、本当に自分たちより強いコトもわかってたので、・・・・・反抗できない。

 ま、ソレはさておき
「ならどうして・・・」
「いや、初めは俺も連れてくるツモリだったんだケドさ、俺もやっと思い出したんだよ」
「何をです?」

 みかどはくれないの質問にはすぐに答えず、彼から視線をそらして少しの間、考えた。
(・・・にしても、何で俺も今の今まで思い出せなかったんだ・・・)
 みかどの脳裏に浮かぶのは、6年前、初めておじの家で出会ったささらの姿。
「おい、きーてんのか?」
 くれないの問いにいつまでたっても答えないみかどにイラつきを覚え、きのえがきつい口調でみかどにいう。

「・・・とにかく」
 みかどは顔をあげて、きのえ、あおい、くれないを見渡す。

「ささらをおじさんに会わせて、戦わせるワケにはいかねぇ」

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